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楢本 洋; 山本 春也; 鳴海 一雅
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 161-163, p.534 - 538, 2000/03
被引用回数:1 パーセンタイル:20.05(Instruments & Instrumentation)ヘテロエピタキシャル結晶成長の初期過程を調べるため、互に固溶しない2つの系で(Cu,Nb; C,Ir)、イオン注入・及びイオンビーム解析を低温で行った。デュアルビーム解析システムを用いて、30~60Kの温度領域でCuイオンをNbに注入したり、CイオンをIrに注入した。基板にはいずれも高品質の単結晶薄膜を用い、注入元素の結晶学的存在状態を、ラザフォード散乱法と組み合せたチャネリング解析(Cu→Nb系)及びラザフォード散乱/核反応(C(d,p)C)と組み合せたチャネリング解析(C→Ir)により調べた。その結果、(1)注入させたCuはNb中を低温でも拡散して表面に集積して、ヘテロエピタキシャル成長することを見いだした。ただし、このCu格子は立方晶からずれている可能性が高い。(2)注入されたCは、Ir中で100方向に沿って整列していること、及びCHを注入した場合にはIrに存在し得ないことを見いだした。これらの成果について討論する。
山本 春也; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 161-163, p.605 - 608, 2000/03
被引用回数:4 パーセンタイル:36.74(Instruments & Instrumentation)これまでの研究で、多結晶で積層したNb/Cu多層膜中のNb膜中の水素固溶濃度が膜厚の減少とともに低下することを見いだしている。これは界面応力が水素固溶に影響していると考えられた。今回は、-AlO単結晶基板上にエピタキシャル成長させたCu(111)/Nb(110)多層膜を用いて、界面応力が水素固溶に及ぼす影響について調べた。Nb/Cu多層膜中の詳細な水素濃度分布測定は、N共鳴核反応法(N-NRA)を用いて行った。その結果、多結晶多層膜では見られなかった現象として、-AlO基板上のNb(110)層に比べて、両側をCu(111)層に挟まれたNb(110)層中の水素固溶濃度が極短に低い値を示すことを見いだした。Nb(110)層の面内では、両側のCu(111)層との格子不整合により縮む方向に応力を受ける。このためNb水素化物の形成が抑制され、低い水素固溶濃度を示したと考えられる。